2021年のペルセウス座流星群の情報

2021年のペルセウス座流星群について、流星が多く見られると予想される極大の頃の情報をまとめました。

極大時刻（世界的に見た場合）

2021年8月13日　4時17分（日本時）

• この時刻は、過去の活動から極大が推測される「太陽黄経が140.0度（2000年分点）となる時刻」を分単位で計算したものです。ただ、ペルセウス座流星群の極大は数時間継続しますので、「分の単位」まで意味を持つわけではなく、あくまで目安です。
• この時間帯は、東日本などでは薄明が始まっている時間帯で、空がすでに明るくなっている頃です。ただし、その直前の夜明け前の観測条件は、たいへん良い状況と言えます。
• なお、ダスト・トレイル（流星物質のチューブ状の構造）との接近により、副次的な極大が観測されることがありますが、今年地球に接近すると予想されるダスト・トレイルはありません（ただし、計算できない程古くに形成されたダスト・トレイルに起因する極大が観測される可能性は、否定できません）。

実際に見ることのできる予想流星数（東京）

極大日前後に、実際に見ることができると予想される（計算上の）流星の数です。個数は、一人が1時間あたりに見られる流星数に換算してあります。

※日本流星研究会の内山茂男さんの集計結果をもとに、実際に見られる予想流星数を当方が計算しました。
※関東以外では計算結果が少し異なりますが、傾向はだいたい同じです。
※「月刊星ナビ9月号」に掲載した表の数値と、1個程度違っている場合がありますが、細かい処理が異なっていることによるものです。ご了承ください。

観測地別の予想流星数：
札幌｜仙台｜名古屋｜大阪｜福岡｜那覇
松江｜

概要

• 流星が比較的多く見られる夜は、8月11日夜〜12日朝、12日夜〜13日朝、13日夜〜14日朝の3夜と予想されます。このうち、最も多く見られる、いわゆる極大夜は、12日夜〜13日朝と予想されます。
• 極大時刻は8月13日4時頃です。この時間帯は、東日本などでは、すでに薄明が始まっている時間ですが、極大の直前にあたる夜明け前には、非常に活発な出現が期待されます。
• 最も多く見られるのは、8月13日の3時頃（12日深夜27時頃）となりそうです。空の暗い所では、1時間あたり50個近くの流星が見られることが期待されます。また郊外では20個近く、市街地でもおよそ5個（ともに1時間あたり）が期待されます。
• 月明かりが無いことと極大の時刻を考慮した場合、今年の8月13日3時頃は8年に1度の好条件の時間帯となります。実際、前後10年くらいでは最も1時間あたりの流星数が多くなることが期待されます（予想値）。
• 極大夜の前後にあたる8月11日夜〜12日朝と、8月13日夜〜14日朝も、極大夜のおよそ半分程度（4割〜6割）の流星数が見込まれます。
  　
• 予想流星数はあくまで目安です。実際には観察してみないとわかりません。
• なお関東では、3時20分頃には天文薄明が始まり、空が明るくなり始めます。観測できるのは、4時頃までです。
• 今年は、宵の時間帯には月が沈むため、ほとんど月明かりの影響を受けずに観測できます。たいへん好条件と言えます。
  参考：東京での月の入の時刻
  • 8月11日：20時29分
  • 8月12日：20時58分
  • 8月13日：21時27分
• 新型コロナウイルス感染症に十分に注意して観察されますようお願い致します。

ペルセウス座流星群の画像・動画集

当方が撮影しましたペルセウス座流星群の画像・動画をこちらのページにまとめました。

• ペルセウス座流星群の動画・画像集

参考：今後10年間（2022年〜2031年）のペルセウス座流星群の極大時刻

• この時刻は、過去の活動から極大とされる、太陽黄経が140.0度（2000年分点）となる時刻を分単位で計算したものです。
• 前述の通り、ペルセウス座流星群の極大（活発な状況）は数時間続きますので、時刻はあくまで参考です。
• 極大時刻の条件は、極大時刻が夜で放射点が高い時間帯にあたるときが◎です。あとは目安です。
• 月の条件は、月明かりがなく観測できる場合が◎です。あとは目安です。
• 次回は、2024年に比較的よい条件のもとで観測できそうです。

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佐藤 幹哉（国立天文台天文情報センター／日本流星研究会／FAS府中天文同好会）
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