2025年のしぶんぎ座流星群の情報
2025年のしぶんぎ座流星群について、流星が多く見られると予想される極大の頃の情報をまとめました。
極大時刻(世界的に見た場合)
2025年1月4日 0時05分(日本時)
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この時刻は、過去の活動から極大とされる「太陽黄経が283.15度(2000年分点)となる時刻」を分単位で計算したものです。ただし、しぶんぎ座流星群の極大(活発に出現する期間)は、前後にずれて観測されることも多く、「分の単位」まではほとんど意味を持ちません。あくまで目安として捉えてください。
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この時間帯は日本の夜半頃ですが、放射点が低く、観測にはあまり向いていません。その後の放射点が昇ってきた頃が好条件となりそうです。
実際に見ることのできる予想流星数(東京)
極大日前後に、実際に見ることができると予想される(計算上の)流星の数です。個数は、一人が1時間あたりに見られる流星数に換算してあります。しぶんぎ座流星群は、観測する年によって出現数の差が大きいため、幅のある数値で表現しています。
月日 | 時刻 | 良好な観測地 (5.5等まで見える空) | 郊外 (4等まで見える空) | 市街地 (2等まで見える空) |
1月2日夜〜3日朝 |
3日 1時頃 | 1〜3個 | 0〜1個 | 0〜0個 |
3日 3時頃 | 3〜6個 | 1〜2個 | 0〜1個 |
3日 5時頃 | 4〜10個 | 1〜4個 | 0〜1個 |
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1月3日夜〜4日朝 |
4日 1時頃 | 6〜15個 | 2〜5個 | 1〜1個 |
4日 3時頃 | 11〜28個 | 4〜10個 | 1〜2個 |
4日 5時頃 | 16〜39個 | 6〜14個 | 1〜3個 |
時刻 | 良好な 観測地 (5.5等まで 見える空) | 郊外 (4等まで 見える空) | 市街地 (2等まで 見える空) |
1月2日夜〜3日朝 |
3日 1時頃 | 1〜3個 | 0〜1個 | 0〜0個 |
3日 3時頃 | 3〜6個 | 1〜2個 | 0〜1個 |
3日 5時頃 | 4〜10個 | 1〜4個 | 0〜1個 |
1月3日夜〜4日朝 |
4日 1時頃 | 6〜15個 | 2〜5個 | 1〜1個 |
4日 3時頃 | 11〜28個 | 4〜10個 | 1〜2個 |
4日 5時頃 | 16〜39個 | 6〜14個 | 1〜3個 |
※日本流星研究会の内山茂男さんの集計結果等を参考にして、実際に見られる流星数を当方が計算しました。
※関東以外では計算結果が少し異なりますが、傾向はだいたい同じです。
観測地別の予想流星数:
札幌|仙台|名古屋|大阪|福岡|那覇
概要
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2025年のしぶんぎ座流星群は、1月4日未明(1月3日深夜過ぎ)を中心に、そこそこの流星数が期待されます。
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極大時刻は1月4日0時頃です。この時間帯は日本の深夜帯ですが、放射点は低く、流星があまり多くならない状況です。なお、流星数は多くないものの、場合によっては経路の長い流星が見られることがあります。また、北海道などで北側の地方では、放射点の高度が多少高くなり、この極大の時間帯(4日0時頃)に見られる流星数はやや多くなります。
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極大を過ぎた後は、一般的には流星数が減っていきます。ただし、2024年には極大を数時間以上過ぎた時間帯にも、予想よりも多くの流星が流れました。2025年の予想はこの影響を加味しています。
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しぶんぎ座流星群の放射点は、一般に深夜に地平線から昇り、夜明け前に向けて高くなります。このため、同じ夜では夜明け前の時間帯に流星が最も多く見られる傾向があります。2025年の場合は、極大が過ぎて流星が減る傾向と、放射点が高くなって流星が増える傾向の兼ね合いとなります。
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これらの条件を勘案して予想すると、1月4日の5時(3日深夜過ぎ29時)頃に、やや多めの流星を見ることができそうです。空の暗い場所で見た場合には、1時間あたり最大40個程度が見込まれます。
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ただし、しぶんぎ座流星群では、極大がずれたり、予想よりも少ない出現となったりして観測されることもあります。少ない場合には、1月4日5時頃でも1時間あたり15個程度にとどまることも十分に考えられ、過大な期待は禁物です。
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極大の頃の月は宵の時間帯に沈みます。月明かりの影響は全く受けずに、しぶんぎ座流星群の観測が可能で、この点では大変好条件と言えます。
観測できる時間帯について
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しぶんぎ座流星群の放射点は、23時頃に地平線から出てきます(東京の場合、以下同じ)。このため、夜半前は地平線の下か低空に位置することになるため、ほとんど流星が見られません。
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一般的に流星の数が増えてくるのは、放射点の地平高度が20度より高くなる1時台に入ってからです。
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明け方は、5時20分頃に天文薄明が始まり、空が明るくなり始めます。観測できるのは5時半を過ぎた頃までです。
参考:「しぶんぎ座」について
- 「しぶんぎ座流星群」の名称は、かつて使用されたことがあり、現在は存在しない「壁面四分儀座(へきめんしぶんぎ座、Quadrans Muralis)」という星座に由来します。流星群の放射点は、かつてのこの星座付近に位置していて、現在の88星座の名称などが決定していく1922年よりも前から「Quadrantids」「Quadrantid meteor shower」等と呼ばれてきました。このため、2009年に流星群の正式名が決定する際にも「Quadrantids」が採用されることになりました。そこで対応する流星群の和名についても、以前から日本で慣用的に使用されてきた「しぶんぎ座流星群」が採用されました。
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放射点は、現在の星座ではうしかい座の北側で、りゅう座との境界に近い辺りに位置しています。
参考:今後10年間(2025年〜2035年)のしぶんぎ座流星群の極大時刻
年 | 月日 | 極大時刻 | 極大時刻 の条件 | 月の条件 |
2025年 | 1月4日 | 00時05分 | △ | ◎ |
2026年 | 1月4日 | 06時16分 | ○ | × |
2027年 | 1月4日 | 12時26分 | × | ○ |
2028年 | 1月4日 | 18時31分 | × | ◎ |
2029年 | 1月4日 | 00時39分 | ○ | × |
2030年 | 1月4日 | 06時49分 | ○ | ◎ |
2031年 | 1月4日 | 12時59分 | × | △ |
2032年 | 1月4日 | 19時11分 | × | × |
2033年 | 1月4日 | 01時22分 | ○ | ◎ |
2034年 | 1月4日 | 07時34分 | △ | × |
2035年 | 1月4日 | 13時44分 | × | ○ |
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この時刻は、過去の活動からしぶんぎ座流星群の極大とされる、太陽黄経が283.15度(2000年分点)となる時刻を分単位で計算したものです。
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前述の通り、しぶんぎ座流星群の極大は、少々ずれることもあります。時刻はあくまで参考です。
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極大時刻の条件は、極大時刻が夜で放射点が高い時間帯にあたるときが◎です(今後しばらくはこのような条件になりません)。あとは目安です。
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月の条件は、月明かりがなく観測できる場合が◎です。あとは目安です。
佐藤 幹哉(国立天文台/日本流星研究会/FAS府中天文同好会)
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