2022年のしぶんぎ座流星群の情報
2022年のしぶんぎ座流星群について、流星が多く見られると予想される極大の頃の情報をまとめました。
極大時刻(世界的に見た場合)
2022年1月4日 5時42分(日本時)
※公開当初「3日」と誤って表記しておりました。正しくは「4日」ですので、お詫びして訂正いたします。
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この時刻は、過去の活動から極大とされる「太陽黄経が283.15度(2000年分点)となる時刻」を分単位で計算したものです。ただし、しぶんぎ座流星群の極大(活発に出現する期間)は、若干前後することが多いようです。「分の単位」まではほとんど意味を持ちません。あくまで目安として捉えてください。
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この時間帯は、東日本の夜明けの頃にあたります。西日本では十分に観測できますし、東日本でも観測可能な時間帯です。放射点の位置も非常に高く、絶好の観測条件だと言えます。
実際に見ることのできる予想流星数(東京)
極大日前後に、実際に見ることができると予想される(計算上の)流星の数です。個数は、1時間あたりに見られる流星数です。しぶんぎ座流星群は、観測する年によって出現数の差が大きいため、幅を持った表現をしています。
月日 | 時刻 | 良好な観測地 (5.5等まで見える空) | 郊外 (4等まで見える空) | 市街地 (2等まで見える空) |
1月2日夜〜3日朝 |
3日 1時頃 | 1〜2個 | 0〜1個 | 0〜0個 |
3日 3時頃 | 2〜4個 | 1〜1個 | 0〜0個 |
3日 5時頃 | 3〜6個 | 1〜2個 | 0〜1個 |
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1月3日夜〜4日朝 |
4日 1時頃 | 6〜13個 | 2〜5個 | 1〜1個 |
4日 3時頃 | 18〜36個 | 6〜13個 | 2〜3個 |
4日 5時頃 | 31〜61個 | 11〜22個 | 3〜5個 |
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1月4日夜〜5日朝 |
5日 1時頃 | 1〜3個 | 1〜1個 | 0〜0個 |
5日 3時頃 | 2〜5個 | 1〜2個 | 0〜0個 |
5日 5時頃 | 3〜6個 | 1〜2個 | 0〜1個 |
時刻 | 良好な 観測地 (5.5等まで 見える空) | 郊外 (4等まで 見える空) | 市街地 (2等まで 見える空) |
1月2日夜〜3日朝 |
3日 1時頃 | 1〜2個 | 0〜1個 | 0〜0個 |
3日 3時頃 | 2〜4個 | 1〜1個 | 0〜0個 |
3日 5時頃 | 3〜6個 | 1〜2個 | 0〜1個 |
1月3日夜〜4日朝 |
4日 1時頃 | 6〜13個 | 2〜5個 | 1〜1個 |
4日 3時頃 | 18〜36個 | 6〜13個 | 2〜3個 |
4日 5時頃 | 31〜61個 | 11〜22個 | 3〜5個 |
1月4日夜〜5日朝 |
5日 1時頃 | 1〜3個 | 1〜1個 | 0〜0個 |
5日 3時頃 | 2〜5個 | 1〜2個 | 0〜0個 |
5日 5時頃 | 3〜6個 | 1〜2個 | 0〜1個 |
※日本流星研究会の内山茂男さんの集計結果をもとに、実際に見られる流星数を当方が計算しました。
※関東以外では計算結果が少し異なりますが、傾向はだいたい同じです。
観測地別の予想流星数:
札幌|仙台|名古屋|大阪|福岡|那覇|宮古島
概要
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流星が多く見られるのは、1月3日深夜過ぎ〜4日朝です。前後の夜は、少ないと予想されます。
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極大時刻は1月4日5時台です。この時間帯は、東日本では夜明けの頃ですが、空はまだ暗く観測が可能な時間帯です。西日本では夜明け前で、全く問題無く観測できる時間帯です。
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しぶんぎ座流星群の放射点は、深夜に地平線から昇り、夜明け前に向けて高くなります。このため、同じ夜では夜明け前の時間帯に流星が最も多く見られる条件となります。
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極大前日の1月3日が新月にあたり、月明かりの影響を全く受けずに観測ができます。
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これらの条件を勘案して予想すると、1月4日の3時〜6時頃(3日深夜過ぎ27〜30時)頃は、近年では絶好の観測条件となり、非常に多くの流星を見ることができそうです。
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なお、しぶんぎ座流星群では、極大がずれて観測されることも比較的多くあります。ずれた場合には、特に極大夜において、予想通りに流星が見られない可能性があります。
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もし、極大が予報より後の時間帯にずれた場合には、極大夜において、予想される流星よりも全体的に少なくなる可能性があります。また、予報より早めの時間帯にずれた場合は、極大夜の早めの時間帯において、流星数が予想より多くなり、明け方の頃(5時頃)には少なくなってしまう可能性もあります。
観測できる時間帯について
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しぶんぎ座流星群の放射点は、23時頃に地平線から出てきます(東京の場合、以下同じ)。このため、夜半前は地平線の下か低空に位置することになるため、ほとんど流星が見られません。
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一般的に流星の数が増えてくるのは、放射点の地平高度が20度より高くなる1時台に入ってからです。
明け方は、5時20分頃に天文薄明が始まり、空が明るくなり始めます。観測できるのは5時半を過ぎた頃までです(今年の場合は、ちょうど予報極大の時刻の頃までです)。
参考:しぶんぎ座について
- 「しぶんぎ座流星群」の名称は、かつて使用されたことがあり、現在は存在しない「壁面四分儀座(へきめんしぶんぎ座、Quadrans Muralis)」という星座に由来します。流星群の放射点は、かつてのこの星座付近に位置していて、現在の88星座の名称などが決定していく1922年よりも前から「Quadrantids」「Quadrantid meteor shower」等と呼ばれてきました。このため、2009年に流星群の正式名が決定する際にも「Quadrantids」が採用されることになりました。そこで対応する流星群の和名についても、以前から日本で慣用的に使用されてきた「しぶんぎ座流星群」が採用されました。
参考:今後10年間(2022年〜2032年)のしぶんぎ座流星群の極大時刻
年 | 月日 | 極大時刻 | 極大時刻 の条件 | 月の条件 |
2022年 | 1月4日 | 05時42分 | ◎ | ◎ |
2023年 | 1月4日 | 11時52分 | × | △ |
2024年 | 1月4日 | 17時59分 | × | × |
2025年 | 1月4日 | 00時05分 | △ | ◎ |
2026年 | 1月4日 | 06時16分 | ○ | × |
2027年 | 1月4日 | 12時26分 | × | ○ |
2028年 | 1月4日 | 18時31分 | × | ◎ |
2029年 | 1月4日 | 00時39分 | ○ | × |
2030年 | 1月4日 | 06時49分 | ○ | ◎ |
2031年 | 1月4日 | 12時59分 | × | △ |
2032年 | 1月4日 | 19時11分 | × | × |
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この時刻は、過去の活動からしぶんぎ座流星群の極大とされる、太陽黄経が283.15度(2000年分点)となる時刻を分単位で計算したものです。
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前述の通り、しぶんぎ座流星群の極大は、少々ずれることもあります。時刻はあくまで参考です。
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極大時刻の条件は、極大時刻が夜で放射点が高い時間帯にあたるときが◎です。あとは目安です。
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月の条件は、月明かりがなく観測できる場合が◎です。あとは目安です。
佐藤 幹哉(国立天文台/日本流星研究会/FAS府中天文同好会)
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