2021年のふたご座流星群の情報

2021年のふたご座流星群について、流星が多く見られる極大の頃の情報をまとめました。

極大時刻（世界的に見た場合）

2021年12月14日　15時59分（日本時）

• この時刻は、過去の活動から極大とされる「太陽黄経が262.2度（2000年分点）となる時刻」を分単位で計算したものです。ただ、ふたご座流星群の極大（活発に出現する期間）は半日程度継続しますので、「分の単位」まではほとんど意味を持ちません。あくまで目安です。
• この時刻は、日本の昼間の時間帯にあたるため、実際に観測することはできません。これよりも早い12月14日未明や、これよりも遅い12月15日夜に活発な様子を観測することができそうです。
• また、これよりもやや早く「太陽黄経262.1度」あたりで極大を迎える年もあるようです。この黄経は12月14日の13時38分（日本時）にあたります。やはり昼間のため、この時間帯に観測することはできません。

実際に見ることのできる予想流星数（東京）

極大日前後に、実際に見ることができると予想される（計算上の）流星の数です。個数は、一人が1時間あたりに見られる流星数に換算してあります。

※日本流星研究会の内山茂男さんの集計結果をもとに、実際に見られる流星数を当方が計算しました。
※月明かりの影響を考慮しています。このため、「5.5等まで見える空」の欄でも、月が空にのぼっている時間帯では実際には5.5等まで見えないものとして計算しています。「4等まで」「2等まで」についても同様です。
※関東以外では計算結果が少し異なりますが、傾向はだいたい同じです。

観測地別の予想流星数：
札幌｜仙台｜名古屋｜大阪｜福岡｜那覇

概要

• 流星が比較的多く見られるのは、12月12日夜〜13日朝、13日夜〜14日朝、14日夜〜15日朝の3夜と予想されます。なかでも最も多く見えるのは、13日夜〜14日朝となりそうです。次に、14日夜〜15日朝と予想されます。
• 極大時刻は12月14日の16時頃です。この時間帯は日本の昼にあたり観測できません。実際に多く見られるのは、これよりも早い12月14日未明やこれよりも遅い12月15日夜と考えられます。
• ふたご座流星群の放射点は、深夜1時台に最も高くなり、1夜の中ではこの時間帯が好条件となります。
• 月明かりの影響について：期間中は、深夜過ぎまで月明かりの影響があります。このため、深夜までの時間帯では暗い流星が見えにくくなり、予想流星数が少なくなっています。
  月の入りの時刻は以下の通りです（東京）。
  • 12月12日夜（13日未明）・月の入り：0時55分
  • 12月13日夜（14日未明）・月の入り：1時53分
  • 12月14日夜（15日未明）・月の入り：2時51分
• これらの状況から総合すると、14日1時（13日深夜25時）頃から14日5時（13日深夜29時）頃の間に比較的多くの流星を見ることができそうです。実際に見える流星数は、空の暗い良好な観測地では1時間に50個近くになる見込みです。
• なお、明るい流星では、極大の時刻が若干遅くなるとの研究があります。このため、15日の夜には、少々明るめの流星が目立つかもしれません。

観測できる時間帯について

• 夕方は18時頃に天文薄明が終わり空が暗くなりますが、ふたご座流星群の放射点の位置が低く、この時間帯に見られる流星数はかなり少なくなります。
• 流星の数は、おおむね20時頃から増えてきます。
• 一晩の中では、放射点が最も高くなる1時〜2時を中心とする前後数時間が好条件です。
• 明け方は、5時15分頃には天文薄明が始まり、空が明るくなり始めます（東京の場合）。観測できるのは5時半頃までです。

参考：今後10年間（2021年〜2031年）のふたご座流星群の極大時刻

• この時刻は、過去の活動から極大とされる時刻を分単位で計算したものです。
• IMO（国際流星機構）では、太陽黄経262.2度（2000年分点、以下同様）が極大だとしていますが、これより早い時間帯になる傾向も見られますので、太陽黄経が262.1度になる時刻も表示しました。
• 前述の通り、ふたご座流星群の極大はおよそ半日ほど続きますので、時刻はあくまで参考です。
• 極大時刻の条件は、極大時刻が夜で放射点が高い時間帯にあたるときが◎です。あとは目安です。
• 月の条件は、月明かりがなく観測できる場合が◎です。あとは目安です。

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佐藤 幹哉（国立天文台／日本流星研究会／FAS府中天文同好会）
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