老婆心ながら

 佐藤幹哉です。コズミックフロントはご覧になりましたでしょうか。

 さて、老婆心ながら付け加えさせていただければ、番組中では、ダスト・トレイルのモデルによる流星群の予報手法が、あたかも私が築きあげたような紹介をされておりましたが、もちろんそうではなく、先行研究をされていた方々がいらっしゃいます。古くは、E.A. Reznikov さんがしし座流星群やジャコビニ流星群(10月りゅう座流星群)の計算をしておられ、そして近年ではD.J. Asher さんが1998年からのしし座流星群に適用し、私たちの理解を深めさせてくれました。
 当方は、高校生の頃からおぼろげに思っていたことと、Asher さんが示していたダスト・トレイルがどうやら同じものだと理解し、当初はおもに木星属の周期彗星を母天体とする流星群(ジャコビニ群やポン・ウィンネッケ群(6月うしかい座流星群))の研究に取り組んでおりました。ほうおう座流星群も、その一つであったということであります。
 偉大なる先人達に敬意を表しまして、付け加えさせていただきます。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

   

— by Mikiya Sato 2015年1月17日 18時37分  

ビデオの確認会

今日は国立天文台で、渡部先生の太陽系小天体セミナーがありました(でも、先生は会議で不在)。その後に、観測したビデオの初確認をしました。このビデオは、極大当日の移動観測の際、晴れてからのおよそ1時間15分、天頂付近を撮影したものです。しかしながら、ざっと見た感じでは、ほうおう座流星群らしき流星を見つけることができませんでした。残念。
とりあえず、もう少し詳しく確認してから、改めてご報告することになろうかと思います。今しばらくお待ちください。
なお、私の他にも色々と捉えた方がいらっしゃいますので、了解など取れ次第、ご報告させていただきます(すでに個々に公開されているものもありますね)。

 

— by Mikiya Sato 2014年12月8日 18時00分  

極大翌日

怒濤の移動観測となった極大夜から一日経って、ラ・パルマ島の観測所はようやく晴天となりました。
翌日の今晩は、流れていないことの確認観測となります。とりあえず、流れていないようでした。
昨日こんな空だったらなぁ・・・と思いながらも、何とか検出には成功したので、良しとすることにしましょう。

さて、この晩、中村純二先生・あやご夫妻と3人で、1時間ほど夜空を眺めておりました。ほうおう座のα星は目立ちますね。月明かりで、ちょうこくしつ座はやっぱり見えませんね。などなど、58年前の宗谷の夜空にも思いを馳せておられるようでした。91歳にして、よくぞこのラ・パルマ島までお越しいただきました。貴重な体験をありがとうございました。

   

— by Mikiya Sato 2014年12月3日 09時00分  

 

「幻の流星群」が「幻ではなくなった」瞬間

さて、昨晩は怒濤の観測だったので、改めて思い返してみたいと思います。
山の観測施設は、昼間から濃い霧に包まれていました。移動やむなし。夕方から車での移動を始めました。
当初移動を予定していた小高い丘のような山は、見るからに曇っています。そこで今回協力をいただいているOvidiuさんのすすめで、海岸付近へと移動。確かに雲量5くらいで、星が見えます。ここでしばらく観測準備をしていると、ほうおう座流星群だと思われるゆっくりとした流星が一つ出現(ただし、目撃者は一人だけでした)。「これは!」と期待していたのですが、1時間ほどで雲に覆われてしまいました。
ここでOvidiuさんと別れ、さらに南下開始。島のほぼ南端まで来たのが0時過ぎでした。ここでたまたま車を降りていた頃、徐々に雲に切れ間が・・・。最後のチャンスかもしれないと、付近の様子を伺っていると、ゆーっくりとした流星がすーっと一筋流れるのが見えました。ほうおう群です。慌てて観測に取りかかりました。

さて、同行しています中村純二先生も、すぐに車を降りまして、暗い場所に向けて急な坂を下っていたときのこと。「あ、流れましたね」(佐藤は若干興奮していたので、言葉の記憶は曖昧ですが)と声をあげられました。その瞬間の嬉しさは言葉に表せません。観測隊一同が感激した瞬間でした。その後も含めると、中村先生は、4個(若干不確かなものを含めると5個)のほうおう座流星群の流星を目撃されました。ゆっくりと流れる流星が懐かしいですね、と話されました。
まさに、58年経って、幻の流星群が幻でなくなった瞬間でした。

さて、世界的にも、ある程度の出現がとらえられているようです。日本からのアメリカ北東部の遠征組も、数は少ないものの出現をとらえた模様です(詳細は帰国後の解析となるそうです)。国内でも、ごくわずかですが流星が観測された模様でした。観測条件の良かったブラジルでは、数個、流星の軌道が求まっているようです。また海外の電波観測でも、中規模な極大がとらえられていました。詳細な解析は帰国後になりますが、色々と忙しくなりそうです。

   

— by Mikiya Sato 2014年12月3日 01時00分  

速報:ほうおう座流星群、出現を確認!

先ほど、移動観測から帰ってきました。非常に悪い天候が続いていたのですが、奇跡的に0時30分頃から晴れ、極大時刻を少々過ぎた時間帯以降の様子を観測することができました。
その結果、数は少ないもののほうおう座流星群の出現を確認することができました。0:45~1:15に行った30分での眼視観測では、ほうおう座流星群6個の出現を観測しました(1時間あたり:HR=12)。
写真にもかろうじて一つ写っておりました。
0047s
0時47分におおぐま座に出現したほうおう座流星群の流星

以上、速報でした。そろそろ寝ます。

 

— by Mikiya Sato 2014年12月2日 15時53分  

 

移動して観測します。

ライブカメラを見ても島の南側のサイトの方が晴れているので、山頂付近の施設をあきらめ、移動することにしました。まもなく移動しますので、この後は速報など流すことができません。あらかじめご了承ください。
観測機材も制限されますので、どこまでのデータになるかはわかりませんが、とにかくこの目で、流れるのか、流れないのか、流れるのならばどのくらい流れるのか、じっくりと確かめてきます。
では!

 

— by Mikiya Sato 2014年12月2日 02時41分  

 

移動観測か??観測準備中

極大日当日になりました。
ラ・パルマ島の山頂付近の観測施設は、霧がかかっています。昨晩の前夜観測もほとんどできない状態(1時間くらいは晴れて機材チェックはできましたが)。
一応希望が持てるのは、島全体に雲がかかっている状況ではないということです。そこで間もなく移動観測をするか、様子を見るかの判断をする予定です。いずれにしても、何らかの観測ができるよう、準備中です。
取り急ぎ、ラ・パルマ島観測隊の近況でした。

追伸 アメリカ遠征観測隊も、もしかしたら移動することになるかも、とのこと。お互い頑張りましょう!

 

— by Mikiya Sato 2014年12月2日 00時18分  

極大前夜

明日は極大だと言うのに、ここラ・パルマは天候が不順です。
そこで山を下りて様子を見てみると、中腹の方が晴れている様子。
再び上に上がると、今度は晴れ間が。ひとまず機材チェックを兼ねたテスト撮影となりました。
空はいいのですが、1時間ほどでまた霧雨。すぐに撤収となりました。
Phe
ラ・パルマ島から見るほうおう座と、今年の予想放射点

写真は一応、ほうおう座を撮影してみたものです。今年の場合、放射点はとなりのちょうこくしつ座になります。(クリックして拡大してみてください)

 

— by Mikiya Sato 2014年12月1日 07時50分  

最終ミーティング

国立天文台にて、遠征前の最終ミーティングを行いました。主要メンバーのみでしたが、日程、観測の概要、持って行く機材などの確認を行いました。
取材中のNHKさんも参加しまして、いよいよ、という雰囲気が漂ってきました。

 

— by Mikiya Sato 2014年11月18日 15時00分  

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