さて、昨晩は怒濤の観測だったので、改めて思い返してみたいと思います。
山の観測施設は、昼間から濃い霧に包まれていました。移動やむなし。夕方から車での移動を始めました。
当初移動を予定していた小高い丘のような山は、見るからに曇っています。そこで今回協力をいただいているOvidiuさんのすすめで、海岸付近へと移動。確かに雲量5くらいで、星が見えます。ここでしばらく観測準備をしていると、ほうおう座流星群だと思われるゆっくりとした流星が一つ出現(ただし、目撃者は一人だけでした)。「これは!」と期待していたのですが、1時間ほどで雲に覆われてしまいました。
ここでOvidiuさんと別れ、さらに南下開始。島のほぼ南端まで来たのが0時過ぎでした。ここでたまたま車を降りていた頃、徐々に雲に切れ間が・・・。最後のチャンスかもしれないと、付近の様子を伺っていると、ゆーっくりとした流星がすーっと一筋流れるのが見えました。ほうおう群です。慌てて観測に取りかかりました。
さて、同行しています中村純二先生も、すぐに車を降りまして、暗い場所に向けて急な坂を下っていたときのこと。「あ、流れましたね」(佐藤は若干興奮していたので、言葉の記憶は曖昧ですが)と声をあげられました。その瞬間の嬉しさは言葉に表せません。観測隊一同が感激した瞬間でした。その後も含めると、中村先生は、4個(若干不確かなものを含めると5個)のほうおう座流星群の流星を目撃されました。ゆっくりと流れる流星が懐かしいですね、と話されました。
まさに、58年経って、幻の流星群が幻でなくなった瞬間でした。
さて、世界的にも、ある程度の出現がとらえられているようです。日本からのアメリカ北東部の遠征組も、数は少ないものの出現をとらえた模様です(詳細は帰国後の解析となるそうです)。国内でも、ごくわずかですが流星が観測された模様でした。観測条件の良かったブラジルでは、数個、流星の軌道が求まっているようです。また海外の電波観測でも、中規模な極大がとらえられていました。詳細な解析は帰国後になりますが、色々と忙しくなりそうです。